消費税 外食産業への影響

帝国データバンクが食料品の消費税率引き下げが外食産業に与える影響を整理しており、大変参考になりましたので共有させていただきます。
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260210-tdbreview-no42/

要約としては以下のとおり記載されております。
1.食料品(軽減税率対象)の税率が引き下げられると、相対的に内食・中食が割安となり、外食(店内飲食)は割高になり得る。
2.外食需要への影響は、相対価格変化による「代替効果(外食→内食・中食、店内→持ち帰り)」と、実質購買力の増加による「所得効果(外食需要を下支え)」の綱引きで決まり得る。
3.影響の方向・大きさは、減税分が店頭価格にどの程度反映されるか(パススルー)や、所得環境、業態特性(用途の代替可能性等)によって変動し得る。

記事の中で参考になったは以下の点です。
・税込価格の下落率:改定前の税込価格を1.08、改定後を1.00とすると、1.00 / 1.08 = 0.9259…となり、税込価格は約7.4%低下する。
・スルツキー分解(代替効果と所得効果)による整理:外食需要は「代替効果による減少」と「所得効果による増加」の綱引きで決まる。代替効果とは、食料品が相対的に安くなるため外食から内食・中食に置き換わる効果のことである。一方「所得効果」とは、価格低下により実質所得が増えた分だけ、外食が通常財であれば押し上げる効果のことである。
・外食には「内食に代替されやすい部分」と「体験・交際など代替されにくい部分」が混在するため、顧客層で影響が分かれ得る。

業態別分析も大変参考になりました。私が参考になったのは以下の点です。
・ファストフード
客数:減少方向に働きやすい。
持ち帰り・デリバリー比率が高い企業:店内から持ち帰りへ販売構成が寄ることで下支えとなり得る。
・ファミリーレストラン
日常利用は内食・中食に置き換わりやすい一方、家族利用などは一定残り得る。
・居酒屋・パブ
「会う・話す」といった用途は代替されにくく、相対価格ショックの影響は比較的小さいとみられる。ただし、ライト層では来店が弱含む可能性がある。
・ディナーレストラン
記念日・接待等の用途では価格より体験価値で決まる比率が高く、影響は限定的となりやすい。
実質所得の押し上げが「ご褒美需要」を下支えする場合、横ばい~上振れの余地がある。
・喫茶・カフェ
飲食そのものは代替されやすい一方、「場所・時間」の需要は残りやすく、完全な代替にはなりにくい。
・持ち帰り(弁当・惣菜・回転ずしの持ち帰り等)
「店内飲食(外食)」と「持ち帰り(軽減対象)」の境界が明確であり、税率差が拡大する局面では店内から持ち帰りへのシフトが起こりやすい。

また最後に、業界における今後の施策検討として、業態別の代替可能性を踏まえ、店内と持ち帰りの構成最適化、メニュー・販促・価格設計を組み合わせた需要防衛が重要という点を指摘されていました。

以上、参考になれば幸いです。